NPO法人 環境共棲住宅 地球の会
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第6回サミット内容

第6回「日本の木の家づくり」サミット in 東京
 
2013年10月29日~31日 京王プラザホテル
 
テーマ 再興 日本の家、地域の暮らし

美しい自然と四季に恵まれた日本には、元来、それぞれの地域の気候風土に根ざした住まいと文化があります。
残念ながら、高度経済成長期以降に失われてしまったものもたくさんありますが、近年ではそれらを見直そうという動きも各分野で活発化しています。
地域工務店は、もともと地域の大工として暮らしと文化をつくり、守るという役割を担っていました。それは今も変わりません。
地域工務店は、地域に根ざしてこそ存在意義があります。
現代の地域工務店は、失われつつある地域の住まいと文化を継承する中でこそ、新たな住宅創造の担い手となりえるのではないでしょうか。
今回のサミットでは、様々な形で地域の再生に挑む方々の取り組みを学び、地域工務店が果たしうる役割についてともに考えたいと思います。

 

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基調講演 美しき日本を求めて
 

講師/Alex Kerr(アレックス・カー)氏

1952年米国生まれ。1964年家族と共に初来日。エール大学、英国オックスフォード大学卒業後、1977年より京都府亀岡市に在住し、日本と東アジア文化に関する講演、執筆等に携わる。2004年から2010年京都で町家再生事業を営み、その後NPO法人「チイオリ・トラスト」の理事長として伝統家屋の修築保存活動、景観コンサルタントを日本各地で展開。著書:『美しき日本の残像』(1993年新潮社、新潮学芸賞受賞)、『犬と鬼』(2002年講談社)、『世流に逆らう』(2012年北星社)、その他。

 

各地で撮影した写真(実例)をご覧頂きながら、景観・公共事業・観光など、各分野で日本が抱える問題について解説します。また、「田舎の保存、文化と自然の活性化」を目的に各地で行なっている空き家活用等のプロジェクトや、自身の生活拠点にもなっている祖谷(徳島)や亀岡(京都)での暮らしの紹介を通して、歴史的・文化的な町並みや施設との向き合い方、活用方法について考えます。

 

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主管工務店報告1 2015年以降の戦略
 

講師/迎川 利夫氏
(相羽建設㈱ 常務取締役)

 

2015年以降、地域工務店はどのようにして現在の受注を維持するか?瞬間的に着工棟数が半減すると予測される中、今までと同じ事をしていては企業体力を維持できません。相羽建設は、5つのドミノスタイルと9つのベーシックプランを中心に、標準化されたドミノにより、人たちの愉しい暮らしに寄り添います。また、他業界とのコラボドミノの基盤もつくります。『あいばこ』はコミュニティ装置として活用します。いずれにしても工務店は自ら仕事と環境を創り出す時代になります。たとえば70年の耐用年数を活かした定借事業の展開についてもお話しします。

 

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主管工務店報告2 お客様・地域とともに、三方良しで『つながり』の家づくり
 

講師/大野 哲也氏
(大野建設㈱ 執行役員 住宅・リフォーム事業部長)

 

大野建設は、創業時より代々伝わる「家づくりの心:家づくりは細く永く、地域をよく知る者が行え」のもと、家を建てるお客様、ともに生きる地域社会、建てる者(大野建設)の三者が、それぞれに「つながり」幸せになっていくという地域密着型の家づくり・建物づくりを行っています。創業時より続く自社大工による住宅事業部門に加え、大型総合建設部門、リフォーム部門の3部門での相互の「つながり」も生かし、これまで手がけた2000棟を超える注文住宅の7割がお客様や地域からの紹介とリピートによるという私たちの取り組みをご紹介します。

 

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工務店座談会 工務店の未来は地元にある~地域とのつながりを本気で考えよう
 

パネラー/相羽健太郎氏
(相羽建設㈱ 代表取締役社長)
1973年東京都小平市生まれ。神奈川大学卒業。1997年一条工務店入社。1998年相羽建設㈱に入社。2010年相羽建設㈱代表取締役社長に就任。現在に至る。
建築家とのコラボによる家づくりや東京都のまちづくりプロジェクトへの参画、近年では暮らしを楽しむ場「あいばこ」の展開などを通じて、地域コミュニティにおける工務店の可能性を広げるべく様々なプロジェクトに挑戦している。

 

パネラー/石橋常行氏
(㈱鷲見製材 代表取締役社長)
1974年東京都中央区生まれ。富山県の地場ハウスメーカーの営業職を経て1999年㈱鷲見製材に入社。2010年9月に㈱鷲見製材4代目代表取締役社長に就任。現在に至る。
「心地よい家、上質な暮らし」をテーマに、「ひだまりほーむ」「季然」のふたつのブランドにて、中高級層にマーケットを絞った住宅事業を展開。また、「暮らしをつくる会社」として、暮らしの学校の開設、地域交流イベント・CSR等を積極的に開催するなどして、住んだ後の暮らしをサポートする。

 

パネラー/八幡英毅氏
(㈱ヤワタホーム 代表取締役社長)
1965年千葉県生まれ。千葉大学建築学科卒。大手ゼネコンでの現場監督を経て、ヤワタホームにて住宅業に取り組む。
「住まい創り」は「単に物造りではなくて、命を育む場であり完成後の暮らしこそが大事」これを単なるお題目ではなく実際に形に表現する場所としての拠点をガーデンビオン成田としてオープンし、「健康増進住宅」と「自然食」のコラボレーションで一歩進んだナチュラルライフを提案。

 

コーディネーター/三浦祐成氏
(㈱新建新聞社 代表取締役社長)
1972年生まれ。新建ハウジング編集長、住宅出版部門を統括する編集局長を経て現職。「観察者」の視点から、執筆・講演活動を通して住宅市場の分析や住宅産業の取るべき道筋を提示している。新建ハウジング発行人。

 

人口減少や高齢化、シャッター化・ファスト化の波が地域を襲っており、地域産業である工務店にも影響を与えています。一方で、地域コミュニティの重要性が見直され、地域をヒト+コトで活性化するソーシャルデザインが注目を集めています。地元が変化すれば工務店もかわらざるをえず、地元が死ねば工務店も死ぬ。いまこそ本気で工務店は地域に向きあうべきで、そこにはリノベーションなどのチャンスや工務店の新たな業態、魅力的な地域文化の可能性も見えています。この座談会では、地域とつながり上手な会員工務店の対話から地域×工務店の可能性を考えます。

 

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講演1 『人とまちを活かすリノベーション』建築ストックを社会資産として活用するということ
 

講師/大島芳彦氏
(㈱ブルースタジオ 専務取締役/クリエィティブディレクター/建築家)
武蔵野美術大学建築学科卒業。米国Southern California Institute of Architecture(SCI-Arc)に学び1998年石本建築事務所入社。2000年よりブルースタジオにて建物ストックの再生「リノベーション」をテーマに建築設計、不動産商品企画コンサルティングを展開。その活動域は不動産流通(仲介・管理)マーケティング、ブランディングなど多岐にわたる。ラティス青山、芝浦などの大規模コンバージョンプロジェクトを手掛ける一方、エンド向けに物件探しからはじめる中古マンションのスケルトンリノベーションサービスを展開。その他近年では団地再生計画、地域再生のコンサルティングなどにも携わる。一般社団法人リノベーション住宅推進協議会副会長。一般社団法人HEAD研究会リノベーション・タスクフォース委員長、理事。明海大学不動産学部非常勤講師。

 

かつてのモノに依存した成長社会は今コトの価値をみつめる成熟社会に向かって大きく舵を切り、私たちの価値観や社会通念も至る所で変化の兆しを見せています。
近ごろ耳にすることの多くなった「リノベーション」という言葉。これは修繕の延長、あるいはモノをモノで置き換えることを意味する対処療法的な「リフォーム」とは違い、既存環境の存在意義や使いこなしかた、つまりコトを根本から問い直し、俯瞰した目線で状況を変化させようとする原因療法的な考え方と言えます。
高価な新築住宅を終の棲家として購入するのではなく、リーズナブルでコンパクトな中古住宅を購入し自分仕様に改修して自分らしい暮らしを手に入れる人、再開発の外科手術的施策に期待し口を開けて街の再生を待つよりも、既存環境の使い方を工夫し自らの手で力をあわせ街を再生させようとする人々。そんな動きがすべてリノベーション的行動なのです。
目の前にある膨大な建築ストックをかけがえのない社会資産ととらえ、スクラップアンドビルドに頼らない成熟社会にふさわしいリノベーションの暮らしづくり、まちづくりをご紹介します。

 

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講演2 超高齢社会における地域の役割
 

講師/三浦 展氏
(社会デザイン研究者/㈱カルチャースタディーズ研究所 代表取締役)
1958年生まれ。1982年一橋大学卒、㈱パルコ入社。1990年三菱総合研究所入社。1999年カルチャースタディーズ研究所設立。
消費社会、家族、若者、階層、都市などの研究を踏まえ、新しい時代を予測し、社会デザインを提案している。著書に、80万部のベストセラー『下流社会』のほか、消費論として『第四の消費 つながりを生み出す社会』、若者論として『マイホームレス・チャイルド』、教育論として『格差が遺伝する!』『下流大学が日本を滅ぼす!』、都市論、郊外論として『東京は郊外から消えていく!』『「家族」と「幸福」の戦後史』『ファスト風土化する日本』『東京高級住宅地探訪』などがある。

 

今後の企業は、人口減少、超高齢社会の中で、コミュニティという商品をつくり出す必要が増してきます。 これまでは、物を多く売ることで売り上げを伸ばしてきましたが、これは人口が増える社会では成り立つモデルでした。しかし人口が減る社会ではそのビジネスモデルは成り立たなくなります。ビジネスの軸を物から人へ変える必要があります。物の売りっぱなしから、売った後のケア、メンテナンスをビジネスにしていかなければなりません。サービスにとって重要なのは人と人の結びつき、信頼です。今後求められる本当のサービス産業について考えます。

 

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