第9回サミット内容

日本の自然環境を守ること、それは日本の木を使った家づくりから始まります。

テーマ

地方をデザインする
~昔と今の知恵の共創 幸せにならんまいけ~

1日目 2018年6月6日(水)

基調講演

地域活性化成功の秘訣-羽咋市のケースから

過疎高齢化した農村集落の立て直しを命じられ、決裁をもらわない方法で、役所という組織や関係者とぶつかりながら実際に歩んできた内容を話させていただきます。

魔法のような波風立てないで上手くいく方法なんて何処にもありませんでした。日本から消えてしまったと思っていた「教育力」が過疎の村にしっかり残っていました。学歴・肩書は何の役にも立ちませんでした。私の方法論・行動の全てが正しいとは決して言いません。もっとスムーズに変革ができる方法があればぜひ教えてもらいたいです。イノベーションのスピードだけが速く、哲学・理念が全くそれについていかない時代、今日ほど、哲学理念という目に見えないものが必要だと痛感しています。

高野 誠鮮氏写真

高野 誠鮮

立正大学客員教授、新潟経営大学特別客員教授

1955年石川県羽咋市太田町生まれ。科学雑誌のライター、テレビ番組の放送作家、僧侶住職、公務員と異色の経歴を持つ。1984年からは町おこしを手掛けるため、羽咋(はくい)市に勤務。「UFOで町おこし」をテーマに、公務員でありながら宇宙博物館「コスモアイル羽咋」を“勝手”に開館。NASAやロシア宇宙局と掛け合い、月の石や“本物”のロケットなどをかき集め、成功へ導く。さらに2005年には、過疎高齢化が問題となった同市神子原(みこはら)地区を、年間わずか60万円で建てなおすプロジェクトに着手。「神子原米」をローマ法王に献上するなど、奇抜なアイデアによりブランド化を成功させる。地域の再生のための、独創的なアイデアと型破りな行動力から“異端のスーパー公務員”という異名を持つ。

1984年羽咋市に勤務。「UFOでまちづくり」を羽咋市で勝手に開始する
1994年TOYP大賞受賞(石川)
2001年毎日新聞コラムで「スーパー公務員」と立川志の輔師匠が紹介
2002年「Time誌」で活動が特集される
2005年地元の神子原米をローマ法王に献上するなど、ブランド化の取り組みを行う
毎日地方自治大賞特別賞受賞
2008年総務省地域創造アドバイザー就任
2013年~田村明まちづくり大賞受賞など受賞歴多数

著書『ローマ法王に米を食べさせた男』(講談社)、『頭を下げない仕事術』(宝島社)、『UFOとローマ法王、そして自然栽培』(学研プラス)ほか多数。

講演

現代の宿場町を復活 大工が行う地方創生

旧東海道の宿場町として賑わっていた滋賀県「大津百町」。現在商店街は空き店舗が目立ち、かつての活気は見られません。これは全国の都市でも同様に起こっている現象です。昔、大工は人々の暮らしを支え、町を守る影の立役者でした。「町家ホテルプロジェクト」は大工を育成する企業として、地域の未来をつくるために取り組むものです。発足のきっかけや商店街に協力が得られるまでの経緯、企業として取り組む意義について考えます。

谷口 弘和氏写真

谷口 弘和

株式会社木の家専門店谷口工務店 代表取締役

1972年滋賀県竜王町生まれ。地元の高校を卒業後、大手ハウスメーカーへ大工として就職するも、“みんなが喜ぶ家づくり”を実現したいと28才で元請け業として独立。毎年新卒採用を行い、現在社員は80名で、その約4割が大工。設計士が営業をこなし、大工が現場監督も兼ねる内製化された組織で、年間約30棟を新築受注、古民家再生も請け負う。

2014年から全国の建築学生を対象にした「木の家設計グランプリ」を毎年主催し、地域工務店の魅力を学生に発信する活動にも注力している。2016年には支店となる『大津百町スタジオ』、2017年には表参道支店を開設。北欧家具店「+ROGOBA」や庭専門店「A GARDEN CRUE」も社内で運営。2018年4月には大津駅前の商店街に大津町家ホテル7棟をオープンさせる。

著書『「いい家」の建て方』(ぱる出版/2016年)。

パネルディスカッション

ものづくりは人を、町を幸せにするか

地元に元気がなくなると自分たちも元気がなくなるのが工務店で、工務店も町に積極的に関わり貢献すべきときです。そもそも家と暮らし、そして町は不可分で、そのつながりのなかには様々な機会が潜んでいます。このディスカッションでは、人と町を幸せにする、町を元気にするものづくり・家づくりについて、デザイナー・鋳物メーカー・学識者・工務店という異なる立場のパネラーが実践を報告し、今後の可能性を議論します。

小泉 誠氏写真

パネラー/小泉 誠

家具デザイナー/こいずみ道具店

1960年東京生まれ。木工技術を習得した後、デザイナー原兆英と原成光に師事。1990年Koizumi Studio設立。2003年にはデザインを伝える場として「こいずみ道具店」を開設。建築から箸置きまで生活に関わる全てのデザインを手がけ、現在は日本全国のものづくりの現場を駆け回り地域との恊働を続けている。

2005年から武蔵野美術大学空間演出デザイン学科教授、2012年毎日デザイン賞受賞、2015年日本クラフト展大賞、2015年から一般社団法人わざわ座代表理事。

能作 克治氏写真

パネラー/能作 克治

株式会社能作 代表取締役社長/公益社団法人富山県デザイン協会理事長/一般社団法人日本工芸産地協会副会長

1958年福井県生まれ。大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業後、新聞社勤務を経て能作入社。代表取締役就任後の2003年より錫(100%)の鋳物、主にキッチンウエアの製造を開始。2004年にオリジナルデザインの真鍮風鈴が松屋の「デザインコレクション」に、錫(Tin)シリーズ・真鍮風鈴が富山プロダクツに選定される。2007年経済産業省「地域産業活用事業計画第1号認定」を受ける。

2013年「第5回ものづくり日本大賞経済産業大臣賞」受賞、2015年富山県推奨とやまブランド認定、2016年藍綬褒章受章、2017年第51回日本サインデザイン賞大賞/経済産業大臣賞受賞など受賞歴多数。

丸谷 芳正氏写真

パネラー/丸谷 芳正

富山大学名誉教授

1950年生まれ。76年東京藝術大学美術学部工芸科卒業。76年木曽御岳奥村木工所入社(建築家奥村昭雄の元で家具開発)。80年設計工房MandM設立(家具デザイン・製作)。80~99年東京藝術大学美術学部建築科非常勤講師。88~08年県立沖縄芸術大学デザイン科非常勤講師。95年「二階堂学舎のたためる椅子スモールヴァージョン」(社)日本インテリアデザイナー協会賞(インテリアスペース協力賞)。98年「ひとりひとりにあわせた椅子たち」(社)日本インテリアデザイナー協会賞(インテリアプロダクト奨励賞)。99~05年国立高岡短期大学産業工芸学科助教授、教授(木材工芸担当)。2000~04年(社)日本インテリアデザイナー協会理事。05~16年国立大学法人富山大学芸術文化学部教授(建築デザイン担当)。16年~富山大学名誉教授、設計工房MandM再開。ひみ里山杉活用協議会会長、とやまの木せいひん研究会顧問、とやまヘリテージ協議会顧問、吉久まちづくり協議会会長、NPO吉久みらいプロジェクト理事。

永森 幹朗氏写真

パネラー/永森 幹朗

永森建設株式会社 代表取締役副社長

1977年福井県大野市生まれ(中部大学工学部建築学科卒業、1級建築士)。

大手住宅メーカー勤務後、永森建設株式会社に入社。

東京の工務店社長に影響をうけ、「地域の『暮らし』においてなくてはならない会社に」を合言葉に、教育機関・学生・異業種共に様々な活動を行っている。働く女性の為の応援サイト「くらしく」を立ち上げ、共働き率の高い福井らしい情報を 発信している。

三浦 祐成氏写真

コーディネーター/三浦 祐成

株式会社新建新聞社 代表取締役社長

1972年山形県生まれ、京都育ち。信州大学卒業後、株式会社新建新聞社(本社:長野市)に入社。新建ハウジング編集長を経て現職。

メディアポリシーは「変えよう!ニッポンの家づくり」。「住宅産業大予測」シリーズなど執筆多数。住宅業界向け・生活者向け講演多数。新建ハウジング・リノベーションジャーナル発行人。

2日目 2018年6月7日(木)

「地球の会」事業報告&分科会活動報告

「地域と共に世界に誇れる住文化の創造」の
実現へ ~第2期分科会活動の成果発表~

地球の会では2014年に、「新しい地域工務店」のあり方・方向を創造するために、また、地域の活性化や新たな魅力づくりに向けて分科会を発足。2016年11月からは内容を深化・刷新し、5つの分科会活動がスタートしています。

各分科会では地域や会社の垣根を超えて全国から様々なメンバーが集い、業界における共通課題の解決や、各地域で展開する各社のさらなる発展に向けて、各分科会リーダーのもと、活発な議論を重ねながら、具体的なアクションを起こしてきました。

今年が第2期分科会の活動最終年。これまで1年半行ってきた取り組みや、地域工務店の皆さまに役立つ有益な情報をご紹介します。

  • 「大工・職人育成」分科会 リーダー 大野 哲矢 [大野建設株式会社 常務取締役]
  • 「工務店の仕組みづくり」分科会 リーダー 三渡 眞介 [株式会社山弘 代表取締役]
  • 「危機管理」分科会 リーダー 相羽 健太郎 [相羽建設株式会社 代表取締役]
  • 「家守りキーステーション」分科会 リーダー 石橋 常行 [株式会社鷲見製材 代表取締役]
  • 「地域住宅の性能研究」分科会 リーダー 永森 幹朗 [永森建設株式会社 代表取締役副社長]

講演&パネルディスカッション

「八尾の伝統を未来に繋ぐ」
~住宅関係者へ贈る道標~

千本格子と漆喰壁を基本とした町屋建築が美しい情景を醸し出す坂の町・八尾 。

「この八尾の建築文化・歴史を継承し、ブランド化していきたい・・・・・」

「空き家を生かして、坂の町を一つのホテルに・・・・・」

そんな様々な想いと伝統が合わさって、国内外からの観光客で賑わう「八尾の今」があります。今回の講演・パネルディスカッションでは、八尾の町おこしのご経験を踏まえ、地域の住宅会社としてこれから何を為すべきか、観光と建築それぞれの立場からご提言をいただきます。また町おこしの過程で取り組まれた後継者育成を含め、地域の住宅会社の生き方、あるべき姿を皆さんと共に考えます。

原井 紗友里氏写真

講演・パネルディスカション(パネラー)/原井 紗友里

株式会社 OZ Links 代表取締役

1987年富山市生まれ、富山高校理数科、東京学芸大学教育学部国際教育専攻。

中国青島にて日本人学校(文部科学省)の教諭として4年間勤務。帰国後、富山にて経営コンサルティング会社で、海外事業に従事。とやま観光未来創造塾グローバルコースを受講後、2016年1月15日株式会社OZ Links設立。2016年4月より、越中八尾ベースOYATSU開業。宿、カフェバー、レンタルスペースの運営を通して、ゲストと八尾町の人をつなげる活動に邁進中。

下島 達雄氏写真下島 達雄

パネルディスカッション:パネラー/一般社団法人 八匠

歴史的町並み景観の保存、修景と両立する現代的生活空間の維持を目的とし、八尾の建設業者16社と設計事務所5社によって、1989年(平成元年)に発足。以降、行政と住民との間に立ち、専門知識と伝統技術を駆使するコーディネーターとして活動する。現在は100名以上の地元の建築職人が加盟。美しい歴史的町並み景観の形成(活動)が評価され、2005年に都市景観大賞「美しいまちなみ大賞」を受賞。地元の伝統工法維持のため、後継者育成の活動も行っている。

  • 下島 達雄 [理事長/下島建設株式会社 代表取締役]
  • 吉本 栄吉 [副理事長/有限会社紀棟工務店 代表取締役]
  • 石田 保弘 [理事/株式会社石原建築 代表取締役]
  • 島崎 五三夫 [監事/島崎工務店 代表取締役]
佐藤 善秀氏写真

コーディネーター/佐藤 善秀

地球の会理事・事務局長/ロスコ・らしさ研究所代表

1949年三重県伊勢市生まれ。同志社大学文学部心理学専攻卒業後、(株)日本マーケティング研究所入社。1994年(株)ロスコ・アールディ研究所設立。2013年よりロスコ・らしさ研究所代表。

様々な業界の一部上場企業、特に大手メーカーのマーケティングリサーチを中心に、経営戦略・商品企画・営業・販促企画・教育研修など、マーケティング活動全般の支援に40年にわたって携わる。2000年頃より、地域住宅会社のマーケティング活動支援に力を注ぐ。

[主な著書] 『住宅マーケティングの教科書』(新建新聞社)、『住宅業界の地域密着“らしさ"経営戦略』(鶴書院)、『刻のかたち』(鶴書院)、『刻の休日』(鶴書院)ほか。

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